夏バテ

一正体を知って、予防しようー

「夏バテ」ってなに?

 非常に大きな気温変動のある春先を過ぎると、あっという間に酷暑の夏がやってきます。体温に近い外気温と冷房が効いた建物内・車内を移動するなどして、体調の調整機能部分、特に、全身の調整機能を担って全身に張り巡らされている自律神経系の機能が低下することにより、「夏バテ」が起こります。
 主症状として、疲れ・だるさ、睡眠の質の低下、食欲不振、体温調節不良、風邪症状などが見られます。そして、重症化していくと、循環器系、呼吸器系、消化器系、内分泌代謝系などの広範な問題だけでなく、多くは脳神経系に波及し、精神的にも意欲低下や抑うつ状態になっていきます。
 この「バテ」の原因には、疲労や老化の中核となるメカニズムである、@生体酸化(さび付き)、A修復エネルギーの低下、B免疫反応(小規模炎症)、そして、これら@からBまでの事象を解決しようと頑張ってきたC自律神経系の機能低下、が挙げられます。


「夏バテ」の解消法・予防法

 「夏バテ」を理解すれば、「夏バテ」を解消するための様々な方法(表)が考えられます。人により上記の@からCの問題の度合いが異なるために、血液検査や自律神経系計測を行うと、より有効な解消法が分かりますが、予防法としては、表の内容が誰にでも実践できます。




熱中症

命にもかかわる熱中症 炎天下の活動時には、十分注意しましょう。

●熱中症とは?

 熱中症とは、外気温(外の暑さ)もしくは、猛暑の中を歩いたりスポーツをした時に、体温の調節機能が乱れ、水分と塩分のバランスが崩れることなどにより起こります。特に乳幼児や高齢者に多く見られ、死亡率も高くなっています。また炎天下での屋外作業中にも多く発生します。発熱、二日酔い、下痢、疲労などで体調を崩している状態の人は、体温の調節機能が低下し、普段よりも熱中症を起こしやすくなるので、注意が必要です。

●熱中症の症状は?

めまいや疲労感、頭痛などから、失神、血圧の低下、頻脈、意識障害、全身の臓器の機能不全に至るまで、症状の程度は幅広くあります。多くの場合、いくつかの症状が重なりあって起こります。軽い症状でも、そのままにしておくと重症へと進行し、死に至る場合もあります。必ず医療機関を受診しましょう。

●熱中症の予防は?

 炎天下では直射日光を避けるために帽子をかぶり、体の熱を効率良く外へ逃がすために風通しのよい服装にします。炎天下で活動する際には、定期的な休憩をとることや、スポーツドリンクなどでこまめに水分と塩分を補給することが重要です。また、室内においても熱中症になることがあるので、エアコンの利用等で室内温度の調整を行いましょう。

●熱中症になったら?

 意識がはっきりしている時は冷房の効いた場所や、日陰で風通しの良い涼しい場所へ運び、同時にスポーツドリンクなどで水分と塩分の補給を行います。言動がおかしかったり、意識がぼんやりしている時には、水をふりかけたり、うちわで扇ぐなどして身体を冷却し、同時に至急、救急車を呼びます。首の両方の横、両わきの下、股の間に冷たいタオルや保冷剤を当て、冷やすのも効果的です。


 

高温や多湿でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなる恐れがあります。マスクを着用する場合は、強い負荷の作業や運動を避け、屋外で人と十分な距離(少なくとも2メートル以上)が確保できる場合には、マスクをはずすようにしましょう。